恐らくは描かない断片。
来たるべく災厄の日々…あるいは幸福の蟻地獄。まだまだ序章・笑
「千種の子供…?」 「どーせね、そーゆー男だと思ってはいたよ、 まず、間違いなく、長ぁい一生の内に、 一度や二度や三度! きっと間違いなく、 いつか訪れる災厄だろーと思ってたよ!! ……ったく…」 千種の放浪癖は年に数回に渡る。 下手すると半年やそこら平気で帰らない。 連絡はあったりなかったり、いつだってマイペース、 Going My Way. 生きてんのか、ちゃんと食ってるのか、 心配だったのも最初の頃だけで、 だって、アノ、千種だよ…、 忌々しい貢がれ体質! 「…ま、いーけどさ、 帰ってくるんだし…」 オレだって羽根伸ばすさ。くそ…。 |
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「…へ? 母親が行方不明…? 何だよそりゃっ、 え? 引取れ? でないと監察送り…って、そりゃないでしょう、 母親誰か判ってんのに…え、ダメ? なんでーっ?! つかもう、本当にちーの子供なのかよ?!」 この社会の常識と法則を呪ってもいいですか…(T T) |
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けど無理だよっ、オレに子育てとか、絶対無理! 千種一人でも手に余るのに! その、子供だよ?! 「……シンゴ、何でにやけてる?」気味悪いぞ。 「はっ、イカンイカンっ」 ダメだ、オレあの顔に弱いんだよ…。 だから顔見たらマズイ、ヤバイ、負けだ。 ほだされる…間違いなく、それは困る。 |
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「千種の子供ー? へぇ? 失敗したの、初めてじゃん」 「いないんだろ、今」 「あの放浪癖、大丈夫なのかよ? ってもう失敗したのか」 「軽く流すな」失敗とかゆーな。 「けどどーすんの、シンゴ引取るの」 「男? 女?」 「聞いてない」 「千種そっくりだったりしてねー」 「承和んちの双子がそっくりに育ってっしね」 「………」 「シンゴ?」 「つーかさぁ、母親判ってもどうしようもなくね? 千種の子なら、どんだけ生きるか判んないし?」 「検査したの、遺伝子」 「…まだ、と思う」 「ペット飼うようにもいかないだろうし、 …実家に任せれば、灯得意だろ、子育て」 「……だって千種の子供だよ…」 「……シンゴ弱いもんねー、あの顔に」 「あの顔…5つ揃うと逆らえないしなぁ…シンゴ」 「……つかもう、ご愁傷様?」 |
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無視だ、無視を決め込むんだ、オレ。 『あー、ごめん、その日は無理だわ、 3日待ってよ、迎えに行くから。 ずっと約束しててさ、 連中(甥姪)連れて山行ってる時だ』 無視、無視、飯だけ食わせて…。 『……けどさ、ごめんね、千兄って変わらないね。 検査だけしといてよ、 俺たちと同じなのかどうかだけ』 |
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オレは絶対ツイテルんだよな…。
千種と、同じだけきっと、生きられるんだから…。 |
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「…は? 俺の子供ー?!」 「…そんでどうしてシンゴが育ててるんだ?!」 「どうしてって、千兄いなかったから。 監察送りじゃかわいそうじゃない、 俺が引取ることになってるけどさ」 「ってどうして?」 「だって、千兄帰る気あんの?」 「う…」 「血の繋がった甥っ子だったら、 やっぱりオレタチで責任とらないと」 「………帰る…」 「や、そっちじゃないから。 明日、一緒に帰ろうよ」 |
ちーに必要なのは、晩年も共にあってくれる存在なんですが…どーなんでしょうか。
最期見取ってくれる相手じゃないとヤなんですけど。
自覚ない危なっかしさを認めて赦してくれないとダメなんですっけどー?
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