珊瑚の受難の朝

GoGo王子!?

 

「コイビトの我侭なら何でも聞きたいね、
 叶えてあげられることなら、
 なんだって叶えてあげたいよ」


「言うね王子、さすが」
「つか今付き合ってんの誰よ?」
「別れたよな、あの女優…」
「で、最近はどんな我侭娘に振り回されてるって?」
「振り回されてる? 王子が?」
「我侭何でも叶えてやりたいって?」
「とか言って、全然言って貰えてないんだけどね〜。」
(そもそもコイビトなのか?!)
「障害? …別に関係ないよ、その存在自体が全てだからね」

「でもあったら燃えるかって聞かれたら、NOとは言えないかな〜」

「あ、でもオレはいつでも燃えてるけど?」にっこり。
マメな男王子。


トゥルルルル〜♪
『今日は来られる?』
「いや、珊瑚に熱がある」
『…そっか、お大事にね』
「ありがとう」

電話の抑えた周波数。
いつも以上にそっけない。
そんなことで退いてはいられない。

 

「熱、まだあるな」

「…蒼出かけなくていーの?」

「ああ」

「学校」

「休み」(自主休校)

「…研究室」

「休み」(自主休校)

「……バイト」

「休み」(突発自主休暇)

「………王子」

「早く治さないと、見舞いに来るぞ」

「っプリン食べるっ」

「わかった」

「うなされた?

 珊瑚、そっち詰めて」

「いいよ、子供じゃない」

「もう眠い、詰めて」

「……甘いんだから…」

久しぶりに良く寝たかも…

蒼の寝息と体温とが…気持ちいい…

「よく似た目で睨まれると、

 ちょっとこたえるね」

「よく言うよ、何?」

何って…

会いたさに特に理由なんかなくて

何をしたいわけでもなかったんだけれど

 

よく似た寝顔を二つ

だけど違う誰かを抱きしめる腕に

この感情につける名前は…

確か多分、漢字では二文字…

 

それでも

湧き上がってくるのは怒りでも憤りでもない

……本当どうしちゃったんだろうねオレは…

「……え…と…?」

あっけ…

 

 

他にどう表現したら?

「なぁ…」

 

「…おい、アンタ」

 

「なぁっ、おいってばよ?!」ぐいっ

 

「っ……あぁ、ごめん、何?」
「…はっ、いつまでやってんだよ?!」
「っ…よく似た顔に拒絶されると堪えるね」
「余裕ぶちかましじゃないか」
「……と、ごめんね、時間だ」
「仕事、してんのか」
「そりゃぁねぇ」
「……千種に言っとく」
「勘弁して?」
「知るかっ、行けよ、さっさと」

 

「って………マジか…?」
「……蒼…」
「………ったく…

 少しは反応してやれよ…」

「本当…どうしちゃったんだろうねオレも…」
珊瑚 よく似た顔なわけで、近しい行動をとるヤツなので、

紅と重ねたりとかもしてそうな;


「俺、千種や承和を紅と重ねたりとかはしたことないけど、
 蒼は似てると思う、どこがって、
 そりゃオレタチ同じ顔だけど、でも違うだろ、
 違うんだけど…」
「……まぁな、連中お前のこと庇い倒しだったしな」
「………」
「…悪かったな、ガキの頃あんま構ってやんなくて」
「………そういう表情すんな」
「ん?」
「………」

やっぱり兄の顔されると千種も似ているわけか。

 

 

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