平和な日々
しんごちゃんは思春期。
無自覚な思春期。
トモダチに、カノジョができた…… |
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「ぶつけてもいいかな…」 「よし、やれ、シンゴ、赦す」 少年時代のもやもや。 友達と遊ぶなんてようやく慣れてきたばかり。 当然、コントロールはまだまだまだまだ…。 放ったボールは、標的から大きく反れた。 「ばぁーっかだなぁ、あの娘お前狙いだったのに」 「はぁ?!」 「けどバカだよなぁ、 自分より整った顔、隣に置いときたいのかねぇ?」 女ってわかんねー。 「千種、マジでひとり回して」 「オトコを磨け」 「くっそー、むかつく」 「むかつくよなっ、シンゴもっ」 「………」 「…俺の顔、整ってる?」 「どしたのシンゴ、今更なこと」 「……オレってカッコイイかなぁ?」 「……どしたのシンゴ…;」いや、カッコイイってか…; 「……ふーん……」 |
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トクベツなんて詰まんないって知った トクベツじゃない自分 トクベツじゃないトモダチ だけど…だけど、だけど、だけどっ ………トクベツに…なりたがってる… 傍にいたい もっと話したい もっと近くで もっと…?
今離れるのイヤだな… だってなんだか終わっちゃいそうな気がするよ…! |
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ふつう、そうだよな… カッコ良くて優しいんだもんな…女の子がほっておく訳ない でも…そうなんだ ふぅん、誰とでも…か にしても、いつも誰かと居るんだよな… 「王子はモテる…よね? 言い寄ってくる女の子どうしてんの」 |
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「……なぁんかヤだなぁ… まるで恋だよ、それじゃ…」 「王子?」 「いつまでも子供でいてくれりゃぁいいのにサ」 そしたらただ可愛がって可愛がって、 構いつくして庇い倒して… ぐずぐずに…ダメにしてしまえたのに…ね… 「王子?」 「んー……ねぇ、オレ考えたんだけど」 「ん?」 「シンゴ、いっそユニット組ませんのは?」 「へ?」 「アイドルグループv そだ、素人スカウトしてきてさ、歌って踊って。 シンゴの役の幅も変わってくるしv」 「って王子? お前歌うのか?」 「なんでオレがアイドルやるよ、 シンゴにはトモダチが必要、 でもアイツ不器用で解かってないからサ。 そーだ、クロウ引き込もう、アイツの歌好きなんだ。 面倒見良いし」 「……シンゴが可愛い?」 「そりゃぁね、今更なコト。 本当は一人捕まえてきたいのがいるんだけど…… 今回はいーや」くすくすくすくすくす。 |
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ちなみに千種と遭遇して餌付けした後。 後にシンゴと友達だと知って大笑い。 「やっぱり引っぱりこまなくて良かった。 オレって勘が働くんだよね」 しんごちゃんには仕事からまない関係も必要v |
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ズルイとか、思ってみても仕方ない。 トモダチとか、思ってんのはコッチダケかも知れない。 オレは楽しくても、嬉しくても、 同じだけ返せてないってんだったら、 どうしようもないぢゃないか。 「イライラしてても演るときゃ演るからなぁ」 「流石だよね」 「…だからかわいそーなんだけどネ…」 |
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「泣かしたって?」 「オレじゃないよ〜、転校先、上手く行ってないのかな」 「何だよ、王子が奨めたから」 「だってかわいそーじゃない、浮いちゃってて」 「って王子が言ったから、フツーのガッコに入れたのに」 「シンゴ、友達いなかったからね〜?」 「…王子、なってやってくれよ」 「オレはとっくにそのつもりだけど」 「………だよなぁ…」 |
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「バカだなシンゴ、友達は友達だろ、 一方通行なわけないじゃないか」 「王子はそーゆーけどっ」 「だってシンゴだって、 その内女の子に興味もったら解かるって」 「すぐオトナぶる」 「違うっての」 「どーせオレはコドモですよ、 可愛げないってゆわれてんのにさっ」 「可愛い可愛い」 「くそーっ」 「要は悔しいんだろ、振り回されて。 なら振り回してやりゃいい。 勝手さが赦せないなら、赦さなくていい、 取っ組み合ったって良いんだよ、シンゴ。 思ってること伝えりゃいい、 簡単だよ、もっと自分を出せよ、 全力で向かってきゃいいのさ。 相手の自由さに腹を立てるより、 自分をもっと自由にしてやればイイ。 なぁシンゴ、コドモの相手をするなら、 自分もコドモに帰れよ、 イイ子でいる必要なんかないよ」 「王子、お前は? 大丈夫か?」 「何が〜?」 「フラストレーション溜まらんか?」 いつもダレカを捜してる… 似てるダレカじゃダメだから… そして、自分がダレカの身代わりにならないように… 「オレは充分、我侭だよ」にっこり。 |
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思春期紆余曲折。 喧嘩にならない喧嘩の果て(千種に伝わってないフラストレーション) 友人達と騒いでるとこに入ってって、 気付いたら越してた背で、 飛びついてみたら意外に小さくて驚いた。 「よーし、そのまま捕まえてろシンゴ」 「バカっ放せよっ」 「何、千種、また何かやったの」 「つかお前も巻き添え食らうぞ」 「せーのっ」 |
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ざっぱーん… 「……だから…言ったろうが」 「ざまぁ見晒せ!!」 「くっそ、ばっきゃろ、水も滴るいい男ってな!」 「うるせんだよ千種、一人でイイ目見てんじゃねぇっ」 「悔しかったら自力で女捕まえて見せろっ」 「…何? また? そういうこと?」 「お前が出てこなきゃ、壁乗り越えたら逃げ切りだったのに」 「……懲りないよね…」 ちょっと離れてる間不安だった。 でも戻ってみたら何も変わってなくて… 水に、流したら意外にすっきり…。 成長期…。
「大体…なんでいるんだよ…」 |
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「千種、千種、何食べたいー?」 「ぁあ? 何だよニコニコしやがって…」 「そう…かな」 「だよ」 「んー、こういうの久しぶりだから嬉しいのかも〜」 「ふーん」 「千種は嬉しくないの?」 「べっつにー」 「まだ生乾きなんだけど…」 |
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珊瑚…学校行ってるのかなぁ…と不安に…; 多分、ほぼ行ってないと見た…;
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