ぼくらの時間はぐるぐる巻きで。

 

 

砂時計かわいいから大好き。
きゅるんっとした曲線も、
つるりんっとしたガラスの光も。
粒粒の砂、一つ一つが光る。

みおだって知ってるよ、これは時間が流れてる容。
ひっくり返しても違う時間。

だけどココはとっても居心地がいいの。
あったかくてやさしい。
甘くて蕩けそうな香りに包まれてる。


みお…灯が大嫌い…。
零れる砂粒の数数えても増えも減りもしない。
なのにどうして掌からこぼれていった全ては元に戻らないのか解からない。

冷蔵庫あけたらいつもおかあさんのぷりんがあって、
みおはいくつ食べても大丈夫なのに。
灯のケーキはみおだけのじゃなくて、
皆で食べたらすぐなくなっちゃう。
桃ちゃんのタルト、いつも違う種類が出てくる…。
同じでいいのに、いつも美味しいのに。
楽しくて、嬉しくて、だけどやっぱり終わっちゃう。

「ごちそうさま」
「おやすみなさい」

次の「おはよう」と「いただきます」が来るまでのちょっぴりの不安。


みお灯が大嫌い…。
「今食ってるケーキ作ったのは俺だぞ;」 「お前なぁ、キライキライ言われたら俺だって傷つくだろうが」
「らって、きらいらんらもん」もぐもぐ。
「みお〜」
「みお、灯だいっきら〜い」にこにこにこっ。
「あのなぁ…」ぶちぶち。

「あれはあれでうまくいってるから」
「………」
「のえる〜、のえる心配要らないから〜;」
「………」
「大丈夫、灯あれでみおみお気に入ってるし、ね?ね?」

りょくの心配もちょっと的外れ…。
ぼくらの時間はぐるぐるまきで、
前にも後にも自由自在。
さっき泣かせたばかりのきみ、
その涙を見ないため、
ぼくは何度でもやり直せる。
君の哀しみ消す為に……ううん…嘘だ、
ぼくが傷つかない為に。


「みお、時草(ときくさ)の実、りょくにあげたいの…?」
「………」
「じゃぁ…灯?」
「…ごめんなさい…ごめんなさい、ごめ…」
「……違うよ、みお、誰も悪くない…」
「………」





『ねー、のえる、灯ってバカだよね』
『みお』
『だって先に死んじゃうのに』
『みお!』
『…のえるだって知ってるでしょう、
 なのになんでココにいるの?』


言ったのはぼく。

みずき*すい
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言ったのはぼく。  



置いていくのは誰?
置いていかれるのは誰?

そして、野ばらの下で泣くのは誰?


…、なのになんでココにいるの?


言い出したのはぼく。

百彩とみお

 

「春の来ない冬はないよ、明けない夜もない。
 だけど秋を迎えない夏もこないし、
 凍てつかない冬もない。

 でも、素敵だろう? 舞い散る花びらも、
 紅葉も。銀杏も。
 季節の果物も野菜も、ねぇ、
 みんなみおみおになるんだよ。」

血であり、肉であり。
ぼくらもみんな食物連鎖の一部だ。
空気も水も。
循環してる。
流動こそに意味がある。

だから何も、怖くないんだ。
容が変わるだけ。
全てはココに在る。

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