極めて日常

思春期紆余曲折 2

Blueさんちで強制合作v

「らいと…どうしてすぐに言わない?」
「大丈夫だと思ったんだ」
「『痛い』って、そういうのは言って欲しいよ」
「……ありがと」
「らいと…こんなに腫れてる」
「いてて」

「こっちっ側からぶつかってこられてー、
 そのまんま落っこちたのね?
 下敷きんなったけど、
 咄嗟に手すり掴んだから最後までは落ちなかったよ」

 

「隠してたわけじゃないよ?」

「そうだな、言わなかっただけ」

「だって気を付けてるんだ右は、灯に怒られるからっ」

「それで?」

「そしたら左からぶつかってこられて、

 それでそのままずざざざーって」

「らいと…; どうして先にそれを言わないんだ…」

「ご飯食べてる時は忘れてたんだ」

「そんなわけあるか」

「先に、言わなきゃダメだろう!」

「見たくなかったしっ」

「見たら医者に行きたくなった筈だ、頭は?」

「打ってないよ」

「崖から落ちた…? って落としたのか?!」
「あそこは危ないから暴れちゃダメだっていつも言ってるだろっ」

「うわぁん>< ごめんなさい」

「それでどうしてらいとは今ココにいないんだ?!」

「灯に怒られるのヤで逃げたんだよ」

「って心配するだろーっ」

「するけどさ」

「らいちゃんがおちた〜」

って泣きながら義弟が歩いてたとか聞いてきたらしい灯;

「痛いっ痛いイタイイタイーっ」

「ついさっきまで平気な表情してたろう」

「うわぁあああっ」

「傷口に砂利を詰めたまま、どうして平気な表情してたんだ」

「大丈夫だと思ったんだっ」

「大丈夫なもんかっ、自分で見てみろ」

「やだやだやだっ怖いもんっ」

「…ほら! 全部洗い落とさないと痕が残るぞ!」

「うわぁあああん><」

「アイツ片目殆ど見えてないからな」

「…そうなのか?」

「判んねーだろ、灯もだけどな。

 光を感じはするらしいけどな」

「………」

 

だから、なんでもないんだと…

どうってことなんかじゃないのさと、

それは嘯くわけでなく、

強がりではなく、真の強さで…

 

「ま、俺が不自由してねーのは、

お前らのおかげっかもしんねーけど?」

 

闇雲に、

庇うなと、そう言うのでもない強かさが、

くすぐったくもあり、

羨ましくもある。

 

 



「どーした?」

「なぁんか妬けるかなと思ってサ」

「………?」

「灯に心配かけたくなかったわけだろう?」

「……アンタに甘えたかったんだろ」

「………そしてオレはキミに甘えたいわけか」

 

「痛いよな…」

「でも良く寝てる」

「………さっきの…」

「あぁ? …ああ 薬 飲ませただけだよ」

「………」


「ココマデ、な、折角寝てるから起こすなよ」

「…解ってるよ」

 


 

<翌日>


「た…ただいまー…」こそこそ

「おじゃまします♪」

「ただいま」

「らいと!!」

「っ灯っ ごごごごごごめっ」

 

「あ、灯、その辺打撲…」

「っ………ったく…」

「ごめんなさい…」

 


「包帯、後で換えてやって?」

「王子が? …ありがとう…」

「お帰りらいと〜」

「ごめんな」

「ごめんねらいちゃん」

「らいちゃんいたい? いたい?」

 

 

 

「おかえり〜 おうじだっこ〜」

「…ただいま」

 

 

「いらっしゃいのまちがいだろ」

「入り浸ってっかんな」

「なかなか帰れないダケのアニキだと思ってんぢゃね?」

「彼らは知ってるの?」
「…皆じゃない。 でも隠してるんじゃないよ?」
「うん 言わないだけ」
「………」
「責めてるんじゃないよ、灯だって言わない」
「…うん」
「だから愛されてるキミが
 気に病まなくていい」
「だってチェス」
「キミが、傷つけたんじゃない」
「………うん」

 

 

「ったく見えてねーなら言っとけよ〜」
「ごめぇん〜」

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